ハウスメーカーなどの、
「長期保証」
は、結局、お得なのかを知りたい。
こんなテーマに関する記事です。
ハウスメーカーの住宅には、だいたい「長期保証」がついていますが、そもそも、お得なのでしょうか?。
実際は、定期的な修繕を前提とした保証の場合が多いので、一概にお得とは言えない部分があります。
その内容について説明しています。
こんなテーマに関する記事です。
ハウスメーカーの注文住宅や、新築建売住宅では、ほとんどが、
長期保証
のサービスを唱っていいます。
30年保証といった場合、かなり、長期間にわたって保証してくれるという安心感があります。
では、こういった「長期保証」は、お得なのでしょうか?
結論からいいますと、
必ずしも、お得とは言えないという側面
があります。
その理由は、ほとんどの長期保証は、
有償での定期的な修繕
を前提にしているからです。
つまり、その場合、普通に、定期修繕するのと変わらないということになります。
住宅会社によっては、
点検、調査は無料
というケースもありますが、調査結果で、補修が必要が場合、当然、有償になってきます。
通常、屋根や外壁は、定期的なメンテナンスが必要ですので、長期保証がなくても、修繕は必要になってきます。
ただ、定期点検などで、そのタイミングを再認識することができるという点では、価値があります。
注意点としては、
ハウスメーカーの長期保証の場合、修繕を依頼する会社の指定がある(グループ会社等)
ということです。それらの会社が、料金が相場より割高の可能性があります。
また、品確法という法律で、主要構造物等については、
10年間
は、住宅会社に保証が義務付けられていますので、それを超える期間について、長期保証での対応ということになります。
下記に、詳細について記載します。
10年以内は、品確法での対応
「品確法」とは、2000年4月に施行された
「住宅の品質確保の促進等に関する法律」
のことを言います。
この法律で、住宅を販売する場合、全ての住宅施工会社に
「瑕疵担保責任」の義務付け
がなされています。
瑕疵とは、
「一般的には備わっているにもかかわらず本来あるべき機能・品質・性能・状態が備わっていないこと」
を意味します。いわゆる、欠陥のことです。
その場合、住宅の施工会社が責任をもって対処するという法律です。
但し、その対象は、
躯体部分
となっています。
躯体部分とは、「主要構造物」のことです。
国土交通省のホームページでは、下記の記載があります。
家を支える柱となる部分:住宅の基礎・基礎ぐい・壁・柱・床版・屋根板・小屋組・土台、筋かいなどの斜材・はりなどを指す横架材
国土交通省「住宅瑕疵担保制度ポータルサイト」
雨水の浸入を防ぐ部分:屋根・外壁・開口部
それ以外の箇所に関しては、「品確法」の対象とはなりません。
その場合の解決策としては、根本的なお話しになってしまいますが、
信頼できる会社で施工する
ということにつきます。
そもそも、しっかりとした品質で、住宅を施工する会社であれば、欠陥のリスクも低くなります。
逆に、過去に欠陥住宅、施工不良の問題をおこしているような会社は、避けるべきですし、施行会社は、慎重に選択するとうことが大切になってきます。
長期保証(10年を超える保証)は、施工会社によって様々です。
10年を超える場合の対応は、施工会社によって異なってきますが、
大手のハウスメーカー
は、基本、長期保証のオプションを用意しています。
その際には、上記にも記載したように、
定期点検(有償、無償)
の結果をみて、状況に応じて、修繕の提案があります。
通常は、その修繕に対応しないと長期保証の対象とはなりません。
ですので、長期保証といっても、実質、
修繕にも対応します
という内容と変わらない場合もありますので、長期保証の内容を細かくチェックすることををお勧めします。
また、修繕の際には、施工会社の指定があり、それ以外の会社で修繕をする場合は、
長期保証の対象から外れる
ということになります。
指定の会社のコストが、一般的な料金設定であれば問題ありませんが、相場より高い場合は、結果、コスト高となってしまいます。
ですので、長期保証の内容を確認して、その有用性を判断することになります。
また、地元の工務店さんの場合は、その会社の経営方針にもよりますが、どういった対応をしてくれるかを確認して、判断しましょう。
もっとも、上記に記載したような外壁、屋根の修繕は、定期的に行う必要があり、当然に、その際の費用は、発生します。
【補足】スムストックについて
大手ハウスメーカー10社が、
スムストック
という仕組みで、自社施工の中古住宅の流通を促進する組織をつくっています。
独自の査定で、中古住宅の価値を査定し、販売価格の設定を行っています。
ハウスメーカーの長期保証を使っている場合、その住宅を購入した買主も、その長期保証のプランを引き継げる内容になっています。
まとめ
「長期保証」に関しては、実質は、
定期修繕
を行って、メンテナンスを行っていきましょうというものになります。
ですので、実質は、普通に修繕を依頼するのと変わらない部分もありますが、
お家を施工してもらった先に依頼すると安心
という面もありますし、何より、住宅を購入する際に、
長期保証があると安心
というメンタル的な部分もあります。
また、ハウスメーカーによっては、
設備に関しての保証や、アフターサービス
にも対応しているケースもあります。
逆にいうと、ハウスメーカーからすると、営業的な要因で、長期保証を充実させているという一面もあります。
いずれにしても、その内容をよく吟味しての判断にはなります。
ちなみに、品確法による10年間が経過した後も、
延長保証保険
という制度があります。
下記の国土交通省のページに、内容が記載されています。
ページに記載の、指定の各保険法人で、対応する保険を提供しています。
以上、新築住宅の「長期保証」についての説明でした。