マンション購入時に、
瑕疵担保保険
にはいったほうがいいのかを知りたい。
こんなテーマに関する記事です。
マンション購入時の「瑕疵担保保険」は、以前は、物件によっては、住宅ローン減税の関係ではいっておいたほうがいい場合がありました。
ただ、現状ではそのルールはなくなりましたが、築年の古いマンションの場合には検討しても良いと言えます。
瑕疵担保保険とは、
「住宅瑕疵保険」
とも呼ばれ、
住宅購入後に、住居の基本的な箇所に瑕疵があった際に、その修繕費用に対して、保険がおりるというものです。
もちろん、金額の条件や対象期間に制限はあります。
では、マンションの場合、「瑕疵担保保険」にはいっておいたほうが良いのでしょうか?
結論から言うと、
古いマンションの場合は、検討の余地がある
と言えます。
また、「瑕疵担保保険」の手続き前に、専門家による住宅の調査を行いますので、築年数の浅いマンションの場合でも、
念のため、住宅瑕疵保険を手続きをしておく
という選択肢もあります。
その他に、築25年を超えるのマンションの場合、「瑕疵担保保険」にはいっておくことで、
所有権移転時の登録免許税の軽減措置
を受けることができますので、諸経費のコスト面でのメリットもあります。
以前は、築25年を超える物件(新耐震)の場合、瑕疵担保保険の手続きをすることで、住宅ローン減税の対象となるというルールがありました。
しかしながら、2022年時の改正で、新耐震であれば住宅ローン減税の対象となるルールに変更となっています。
結果、住宅ローン減税目的で、瑕疵担保保険を手続きするという必要性はなくなっています。
下記に、具体的な内容について記載します。
「瑕疵担保保険」の主旨
「瑕疵担保保険」は、
建物の構造耐力上の主要部分や、屋根や外壁からの雨水の侵入といった、重い瑕疵
が、その対象となります。
また、給配水管については、通常、オプションで対象にします。
いずれにしても、主要な部分の不具合を対象としていますので、
程度の軽い不具合
については、対象外となります。
また、マンションの場合は、中古戸建のケースと比較すると、
傾きや、雨漏りといった可能性は、かなり低い
と言えます。
ですので、特に、築年数の浅いマンションの場合、瑕疵の可能性から考慮すると、その必要性は低いと言えます。
逆に、古いマンションや団地の場合は、
給排水管の不具合など
の可能性もありますので、物件の状況に応じて、判断するということになります。
また、「瑕疵担保保険」の手続きをする前には、
専門家による調査
を行うことになりますので、客観的な視点でのチェックを入れるという安心感はあります。
マンションにおける「瑕疵担保保険」の注意点
マンションにおける「瑕疵担保保険」の注意点として、下記の事項があります。
「瑕疵担保保険」の対象範囲
「瑕疵担保保険」の対象範囲は、
専有部分
となります。
ですので、万が一、専有部分以外の箇所での不具合については、その対象とはなりません。
例えば、壁などからの雨染みがあった場合、外壁に関しては、共用部分となり、瑕疵担保保険の対象とはなりません。
外壁に関しては、マンションの管理組合での対応となります。
また、「瑕疵担保保険」の事前の調査の際には、指摘事項があった場合は、その箇所を修繕しないと、「瑕疵担保保険」には入れないということになります。
ですので、共用部分の不具合に関しては、マンションの管理組合の対応となり、修繕にはかなりの期間を要することとなり、現実的には、マンション購入のタイミングに間に合わすことは難しいでしょう。
もっとも、事前の調査で、指摘事項があった場合は、
マンションの購入自体の再検討
ということになりますので、そういう意味では、調査をすることは、物件を購入する前のチェック機能としての役割があるとも言えます。
築年数による制限
「瑕疵担保保険」は、
旧耐震のマンションは、対象外
となります。
旧耐震のマンションとは、
建築確認が取得された時期が、昭和56年5月31日以前の物件
のことを指します。
※逆に、昭和56年6月1日以降の建築確認の物件は、
新耐震基準
となり、建築基準法上の耐震基準の改訂後の条件の物件になります。
築年数が古いマンションの場合は、
建築確認が取得された時期
がいつなのかをチェックする必要があります。
※登記簿に記載の「建築年月」と、建築確認の取得の日付には、差があります。
昭和56年の建築年月の物件は、念のため、新耐震かどうかを確認しておいたほうが安心です。
「瑕疵担保保険」の保険以外のメリット
「瑕疵担保保険」には、築25年を超えるのマンションの場合、
登録免除税の軽減措置
というメリットがあります。
(25年以内に新築されたマンションは、もともと軽減措置の対象となっています)
登録免許税とは、
不動産売買の際行う所有権移転登記に伴う税金
のことです。
登録免許税は、下記の条件で、軽減措置の対象となります。
(1)床面積が50平米以上のもの
(2)マンションの場合(耐火建築物)、25年以内に新築されたもの
(3)(2)の期間を超え、新耐震基準に適合している住宅の証明のある住宅。または既存住宅売買瑕疵保険に加入している住宅(加入後2年以内のもの)
ですので、上記にも記載したように、
築25年を超えるのマンション
でも、「瑕疵担保保険」にはいることで、
登録免除税の軽減措置
の対象となります。
登録免除税の軽減措置を受けるためには、所有権の移転手続きの時点では、「瑕疵担保保険」の証書が必要となりますので、事前に、その段取りを組んでおく必要があります。
まとめ
「瑕疵担保保険」は、必ずしも必要ではありませんが、手続きをしておくと、安心なものではあります。
また、必要性の面から言いますと、築浅の物件の場合は、必要性は低いと言えます。
ですので、状況に応じての判断にはなりますが、少なくとも、古いマンションの場合は、検討すべきかの判断ができるように、「瑕疵担保保険」についての知識をもっておかれるとよいと言えます。
詳しい内容は、下記の、一般社団法人 住宅瑕疵担保責任保険協会のページにも記載がありますので、参考になります。
以上、マンション購入時の「瑕疵担保保険」についての説明でした。