マンションや戸建住宅の購入を検討する際に、
周辺環境に関して、注意すべき点
を知りたい。
こんなテーマに関する記事です。
不動産を購入する際には、
なるべく価値の高い物件
を選びたいものです。
しかしながら、不動産の価値を下げる要因のひとつに、
近隣の「嫌悪施設」
があります。
英語では、
NIMBY(ニンビー)
と呼ばれます。
“Not In My Back Yard”の最初の文字をつなげた言葉になります。
その意味は、
「施設の必要性は認めるが、自らの居住地域には建てないで欲しい施設」
となります。
では、具体的に、どのような施設を指すのでしょうか。
嫌悪施設の具体例
いわゆる、嫌悪施設としては、不動産流通推進センターの資料を参考にすると、下記のような施設を指します。
■騒音や振動の発生
重要事項説明における「嫌悪施設」の調査範囲(不動産流通推進センター)
→高速道路等の主要道路、飛行場、鉄道、地下軌道、航空基地、大型車両出入りの物流施設 等
■煤煙や臭気(悪臭)の発生
→工場、下水道処理場、ごみ焼却場、養豚・養鶏場、火葬場 等
■危険を感じさせる
→ガスタンク、ガソリンスタンド、高圧線鉄塔、危険物取扱工場、危険物貯蔵施設、暴力団組事務所 等
■心理的に忌避される
→墓地、刑務所、風俗店、葬儀場 等
マンションや住宅選びの際の注意点
嫌悪施設に該当するの各事項に関しての注意点を記載します。
騒音や振動の発生
マンションや住宅で、
比較的大きな幹線道路に隣接した場所
に立地しているようなケースがあります。
この場合、
振動や騒音
の他に、
安全性(特に小さなお子さんがおられる場合)
や、
埃や粉塵
の問題が発生します。
特に、埃や粉塵は、洗濯物を干す際の汚れの原因にもなります。
幹線道路に近いということで、便利な面もありますが、上記にようなデメリットもあります。
マンションや戸建住宅の場合、できれば、主要な幹線道路に隣接しているよりは、道路を1本でも奥にはいった場所が安心です。
もちろん、その際には、前面道路が、一定も幅員があるかどうかもチェックしましょう。
煤煙や臭気(悪臭)の発生
用途地域の区分では、
・準工業地域
・工業地域
には、住宅を建築することができます。
ですので、
近隣に工場がある地域
というものも存在します。
また、湾岸エリアのマンションでも、工業地域に建設されているケースが多くあります。
工場跡をマンションにしている場合も、あります。
近隣に工場がある場合は、工場からの
煤煙や臭気(悪臭)
がないかに注意する必要があります。
風向きによっては、比較的離れた場所からの
臭気(悪臭)
が気になる場合もあります。
このことは、
ごみ焼却場、養豚・養鶏場
などの場合も、共有した問題となります。
もっとも、ごみ焼却場の場合は、そういった問題が発生しないように、対策がとられている場合が多いです。
しかしながら、近隣にそういった施設があると、不動産の資産価値に影響がでるということは、認識しておいたほうが良いと言えます。
危険を感じさせる
近隣に
危険を伴う施設がある
と、平穏な生活を妨げる要因になります。
ガスタンク、ガソリンスタンド、危険物取扱工場、危険物貯蔵施設といった施設の場合、
万が一、爆発する可能性
がゼロではありません。
もっとも、そうったことのないように、対策は取られていますが、
近隣にある必要性は無い
と言えます。
あえて、そういった施設の近くに物件を選定することもない訳です。
仮に、そういった施設が近くにあるということで、
価格が低めに設定されている
ということであれば、それはそれで、判断になります。
また、
暴力団組事務所
が近くにある物件も避けるべきです。
ネット上でも、ある程度、情報を確認することができます。
念のため、周辺をチェックしたり、近隣の方にヒアリングしても良いでしょう。
ただ、近隣の方の場合、情報があやふやだったり、間違った情報の可能性もある為、複数の方に確認したほうが良いと言えます。
以前に、戸建住宅を検討されていた方のお父さんが、近所をチェックされて、少し離れた場所に、
表札に代紋の入った家
を見つけられたことがありました。
事務所ではなかったのですが、代紋をいれているということは、関係者の可能性が高いという判断でした。
結果、物件との距離は離れていたものの、その物件は、見送られました。
心理的に忌避される
墓地、刑務所、風俗店、葬儀場などは、正直、
住居の近くには、無いほうが良い施設
です。
そういった施設が近隣にある場合は、
その物件は、選択肢から外したほうが良い
と言えます。
実際、資産価値も下がると言えます。
また、風俗店に関しては、店舗の外見が、マッサージ店を装っているケースもありますので、注意しましょう。
まとめ
マンションや、戸建住宅を選ぶ際は、
気持ちよく暮らすことができる環境
であることが、大変重要になってきます。
上記に記載したような、いわゆる、
嫌悪施設
と呼ばれる物件が近隣にあると、
平穏な生活
に支障ができるだけでなく、例えば、将来的にその物件を売却する必要性がでてきた際に、
売却価格
にも、影響がでます。
つまり、売却時の設定価格が、低くなる要因となるということです。
ですので、物件選びの際には、その物件そのものだけでなく、
近隣の施設
に関しても、細心の注意を払って、検討することが大切と言えます。
以上、「嫌悪施設」に関する説明でした。